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- 京焼・清水焼の使い方
磁器と陶器それぞれに合った使い方を。

京都の焼き物には磁器と陶器があります。 磁器のものは「石もの」と言われるように、石(陶石)を原料としています。 陶器に比べより高温で焼く事ができるため丈夫で、叩くと高く澄んだ音がします。 吸水性がないので茶渋もつきにくく、上品な仕上がりのものが多いです。
陶器のものは「土もの」と言われ、使う土によって黒や茶色から白っぽいものまで様々です。 釉薬と素地との焼き上がりの収縮の違いによる「貫入」が入るため、茶渋がつきやすい反面、使い込むほどに肌合いや色合いが変化し、陶器独特の優しく柔らかい風情が出てきます。 お茶人さんなどはそういう変化を「うつわを育てる」という感覚で大事にされてます。
どちらが良いとか悪いとかは使う人によって違うと思いますので、一概に言いにくいですが、最近は茶渋がつくことを極端に嫌う方も多いです。 陶器の場合、米のとぎ汁などに一晩つけておき、使う前にぬるま湯や水に浸しておくと比較的茶渋などはつきにくくなります(全くつかないと言うまでにはならないかも知れません)。
熱処理について
新しいうつわは熱湯で煮ると良いと言われる方もおられますが、正直あまりオススメしません。急激な温度変化によって、うつわが割れることがあるからです(特に楽焼のものはご注意ください)。
もし、どうしても熱湯処理をすると言われる場合、陶磁器なら、うつわを水につけた状態で火にかけてください。 けして煮立てず、お湯が冷めてから取り出して、十分に乾燥させてからおしまい下さい。 生乾きでしまいますとカビが生えることがありますのでご注意ください。 楽焼のものに関しては熱湯処理は控えたほうが良いです。 もともと柔らかく、吸水性の高い焼き物ですので割れやすくなるだけです。 さっと水洗いだけで十分です。
漂白剤や電子レンジのご使用について
漂白剤や電子レンジのご使用は商品によって違います。 大きく分けると色絵のものは避けたほうが良いでしょう。 絵の具がはがれたり、色が悪くなると言ったことが起こる可能性があります。 特に金彩、銀彩のものは注意が必要です。 食器乾燥機もダメではないですが、あまりオススメしていません。
交趾釉や楽焼のものは、酸性の強いもの(梅干など)や塩分の強いもの(塩昆布など)に触れていると変色する場合がありますのでご注意ください。
基本的には水洗いと自然乾燥で長持ちします。
このように、こんなにあれはダメ、これも注意と書くと面倒くさいとお思いになるかもしれませんが、当店の商品は昔ながらの伝統の技によるものばかりです。 基本的には普通に水洗いで自然乾燥してもらえれば十分だと思います。 せっかく気に入って使っていただくものです。 少しぐらい手間をかけてやる方が愛着も湧くし、うつわを大事にすることに繋がっていくと思っています。 うつわと言うものは、大事に使えばいつまでも使うことのできるものなのですから。
使い方などで分からないことがありましたら、当店の商品に関わらず下記のほうへお気軽にお問い合わせください。お答えできる範囲でお返事差し上げます。